パーキンソン病患者の死因

パーキンソン病は現在治療法がなく、対処療法が中心のため
必ず症状が進行してきます。しかし、パーキンソン病そのものが
死因になる事はありません。パーキンソン病のどういった症状が
死因と直結していくのか説明していきます。

 

嚥下障害

 

一番深刻な症状が現れるのがこの嚥下障害です。
症状の進行に伴って食べ物がうまく租借したり、
飲み込んだりが難しくなります。

また、筋肉の硬直が進むにつれ、
誤嚥を起こした際の「ムセ」が起こしづらくなり
誤飲性肺炎を起こしやすくなります。
誤飲性肺炎を防ぐため、病状が進行してくると
食事にとろみを付けたり、ゼリー状の
固形物の食事が中心となります。


ただ中には唾が原因で誤飲性肺炎になったりと
どうしても嚥下障害が原因の誤飲性肺炎に
なる可能性が高いです。

その結果、肺炎や気管支の感染症等の
合併症で死亡する事が多いです。

 

栄養失調

上記の嚥下障害が深刻化すると
口から栄養をとったり、投薬治療を行う事が
難しくなります。

その結果、栄養失調状態となり
やすくなります。この状態で栄養を投与する為に
下記の様な手法が用いられます。

 

鼻から管を入れる

 

鼻から胃まで管を通して
栄養を胃まで直接投与する方法です。

手術等で体を傷つける必要が無くすぐに
治療を開始することが可能です。

 

通す管は胃カメラよりも細い物ですが
感じ方には個人差があり、管が入っている事を
全く感じない人もいれば、違和感から
引きぬこうとする人まで様々ですが、
基本的には食事のタイミングで投与することで
栄養を投与することが可能です。

 

胃ろう

胃の前方と腹部の一部分に穴をあけ
その穴から直接栄養を投与する方法です。

手術の必要があり腹部の厚さによっては
穴をあける事が出来ない場合や、手術中に
出血する可能性もあります。

 

チューブに違和感を感じる事は少ないですが、
チューブは定期的に交換が必要で、
手術が必要ない種類の場合は1カ月おき等の頻繁な交換が
必要となります。

点滴

通常の点滴では濃度が濃くなりすぎ、
血管に負担がかかるため、通常の点滴では
生活に必要な栄養を取ることができません。

その為、首や祖警部、鎖骨等の大きい血管が
ある部分に穴をあけ、そこから栄養を投与する方法です。

手術をする必要があり、それぞれ肺への誤投与や
排泄物等の混入等のリスクがあります。

 

どの方法を選んだ場合でも
経口摂取程の栄養を取る事は難しい事、
経口投与でない場合、投与できない薬がある為
パーキンソン病自体の治療が十分ではなくなります。

その結果病状は進行し、気道感染や尿路感染症で
死亡することがあります。

 

身体機能低下による外傷

 

上記の誤飲性肺炎や感染症は症状が重篤になってから
の死因ですが、比較的パーキンソン病の
症状が軽い時期の死因の一つが外傷です。

身体機能低下により、階段から落ちたり、
こけたりして起きた骨折などの外傷で
死亡するケースもあります。

まとめ

パーキンソン病は根本的な治療方法がなく、
寝たきりになってからの全身衰弱と合併症に
より死亡することがほとんどです。

外傷性の死因以外は突発的に発生することは少なく
死に至る経過に直面する事になります。

最終的には自分の意志はほとんど示す事が
できなくなる病気です。「延命治療」と
「最期」について意思疎通のできている間に
患者も介護者もしっかりと共有し、
「死」と向き合えるように準備していきましょう。

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