パーキンソン病ってどんな病気?


 パーキンソン病は難病(特定疾患)に指定されていますが
患者は全国で12万人~15万人いるといわれ、決して珍しい病気では
ありません。発症者は50歳以上の高齢者に多く、
年齢が高くなるほど、発症の確率は高くなります。
また非常に少ない割合ではありますが
10代、20代の若年層での発症例も確認されています。

進行性の病気で、一旦発症すると自然によくなったり
治ったりすることはありません。病気の進行は非常にゆっくりですが、
確実に進行し、最終的には寝たきりの状態となり
介護が必要となります。

原因はドパミン神経が脱落してなくなっていく事で
運動の調節がうまくいかなく無くなる事が原因です。

iPS細胞を使った実験は始まっていますが、
現在はまだ完治はできない病気で、病気の進行を
遅らせる対処療法が中心となります。

 パーキンソン病には特徴的な4つの症状があります。


ふるえ


始めは右か左のどちらかの手または足が時々震えるようになるのが
初期症状です。初期状態では見た目で確認することが困難なほどですが
パーキンソン病の進行に伴って、継続的に症状があらわれ
震えの幅も大きくなります。

椅子に座っていたりしても
ぶるぶる震えているのがはっきりと分かるくらい
病状が進行してくると、人前に出るのを嫌がったり
思うように体が動かせない事で精神的にも
不安定になる事があります。

こわばり


筋肉がかたくこわばって動きが悪くなります。
思ったように体が動かせなくなり、手指、足の曲げ伸ばしが
スムーズにできなくなったり、関節を上手く動かせなくなります。
この症状が原因で、色々な場所に手足をぶつけたりといった
怪我も症状の進行とともに増えていきます。

動作の緩慢


動作を始めるのに時間がかかるようになり、動作自体も
非常にゆっくりで、緩慢なものになります。
進行していくにつれ、体を動かす事が出来ないようになり
表情の変化が乏しくなったり、話している声が
ぼそぼそと聞き取りづらいものになります。

一番の変化は「しっかり笑えなくなること」です。
次第に苦笑いの様な表情に変化し、感情と連動しなくなる事で
笑い顔を作る事ができなくなります。

姿勢反射障害


歩行を開始しようとしても足が前に出ないすくみ現象が
起こります。症状が進むと、歩く速度も次第に遅くなり
前かがみの姿勢での突進状態となり、歩幅も小さくなるため
躓いたり、こけたりすることが多くなります。

私の母親の場合は、段差は全くない
場所でも度々転んでしまう事があり
壁や家具に手すりを付ける事で対応していました。

その他


・便秘に悩まされる

 胃腸の働きが弱くなるために
 便秘に悩まされる事が多くなります。
 また治療に使われる薬の中には
 腸の働きに悪影響を与える
 副作用がある薬もあり便秘が
 ひどくなる事があります。

・頻尿・排尿障害

 排尿反射の伝達も鈍くなるため
 頻尿になったり、逆に排尿が困難になる人もいます。

 私の母親の場合は、特に夜間頻尿が深刻で
 夕食後に頻尿を抑える薬を投与したり
 尿道に直接管を通して排泄する事で
 対処していました。

、・幻視

 ドーパミンの分泌を促す薬を投与する影響で
 周りにある神経細胞にもさまざまな影響を与える事が
 あるようです。実際にない物が見えたりする
 幻視もその1つです。

 ドーパミンを分泌する器官は
 視神経と関係している器官の近くにあるようで
 私の母親の場合は、投薬する薬を変えた際に
 床に何か動いている物が見えたり
 浴槽のシミや汚れが害虫に見え、驚いていた事も
 ありました。

早期発見、早期治療が重要


冒頭でも触れましたが
パーキンソン病は今現在
完治する治療法がありません。

何年もかけてゆっくりと
しかし確実に進行する病気です。

以前は10年後には寝たきりになると
言われていましたが、治療薬も進化しており
発症から長い年数にわたり、よい状態を保つ事が
可能になってきました。

そのためにも、早い段階からきちんと治療を始めることが大切です。

私の母もパーキンソン病ですが
たまたま内科にかかった際に
パーキンソン病の知識の深い先生が
手が震えているのを見て

「もしかするとパーキンソン病ではないか」

とお話をしてくださり、
そのまま神経内科で検査を受けた結果、
パーキンソン病である事がわかりました。

その後定期的に整骨医院やリハビリに
通う事で当初は介助が不要な病状を
維持することができました。

もし発見が遅れていたらどうなっていたか。
ふらつきや歩行動作の不安から
ますます日常の運動をしなくなります。

 そして薬剤の投与が遅れる事で
正しい動作が行えなくなり
さらに脳への刺激が減少していく事で
知らない間に病状が進行していきます。

 実際自分の母親も下記の変化があった時
下記の2つポイントで一気に病状が進行しました。

1、家の中でも車いすに乗るようになりほとんど歩かなくなった
2、骨折で入院し、2週間寝たきりだった。

パーキンソン病という病気を知らないと
正しい処置をする事が出来ず、病状を
悪化させてしまいます。

初期症状をしっかりと理解し

「もしかしたら」

と思ったら、すぐに
神経内科を受診して下さい。


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