パーキンソン病の終末医療

病状の進行に伴って身体能力の低下に伴って
言語障害や嚥下障害、認知症等が進行し
最終的には日常生活が全面的に困難となり、
生活の基本がベッドになります。


常に介護者によるサポートが必要になる為
進行に応じて様々な決断を迫られるようになります。

私の実体験も含めて説明させていただきますので
今後の介護に役立てていただければ幸いです。

ベッドや車椅子での生活

手の震えや姿勢反射、日常生活の動作が遅くなるという
症状が進行すると自発的な歩行が難しくなり
ベットや車椅子を利用したほぼ寝たきりの
生活となります。

少しずつ動けなくなっていくに従って
怪我のリスクを承知で、どこまでリハビリを
続けさせるのか、どういった方法で行うのか
家庭環境や症状に合わせた対応が必要になります。

 

自分の経験では自発的な歩行をせずに
車椅子の移動のみになると、歩く事で受ける
地面からの細かい刺激を受けなくなる事で
認知症や自律神経が乱れによる
排尿障害や発汗異常が一気に進行します。

 

1日10分位の少しの運動でも構いません。
患者自身の足で歩く時間を極力作るように
してください。

私の母の場合はリビングを手を引きながら
往復を繰り返すとか、調子の良い時は、
住んでいるマンションの周りを1周回といった
運動をしていました。

 

栄養の摂取

パーキンソン病の進行につれて
飲み込む機能が徐々に衰えていきます。

 

胃や腸等の臓器の状態に問題が無い場合は
できるだけ臓器を働かせるために
経口での栄養摂取を進められますが、
刻み食やとろみをつけたりと工夫を行っても
経口での食事は難しくなった後、
どうするのか対応を迫られる事になります。

 

前回説明した通りいくつかの方法がありますが
体に管を入れそこから栄養を投与するという事は
共通しています。

 

こういった症状になっている頃には
認知症も進行している事が多くどこまで
栄養投与による治療を行うのか。

 

状況も考え早めに決断をする必要があります。

 

 

延命治療をどこまでするのか

パーキンソン病に限りませんが、
経口での栄養摂取が難しくなり、
体に管を入れそこから栄養を投与するようになり
さらに寝たきりという状態になると
どこまで治療を進めていくのかという事が
問題になってきます。

 

パーキンソン病の場合、認知症のリスクが通常の
病気よりも高く、運動機能も低下していくため
通常の老衰よりも遥かに速いスピードで状態が
悪化していきます。

 

私の母の場合、
昨年の正月には細かく切った状態でしたが
おせちを食べ、お菓子を食べたりして過ごしていました。

 

状況が悪化したのは9月ごろです。
ショートステイへ向かうため、お迎えの
車に乗せようと車椅子を移動していた際に
壁に腕が当たったようで、その際に骨折していたことが
その日の午後にわかりました。

 


急遽入院する事になったのですが
複雑骨折をしており、金属のプレートで
固定する手術が必要との事でした。

 

その際に言われたのが、全身麻酔をする必要があり
その影響で嚥下の力が間違いなく低下する
と言われました。

 

そうは言っても手術するしかなく
手術は無事終了し2週間後には退院しました。

 

 

そして家に帰ってきたのですが
特に朝は今までの様な刻み食では食べる事が
出来なくなりミキサーで全て砕いたうえで
食べさせていました。

 

それでも十分に食べる事が出来ず
お菓子等も食べる事が出来なくなった結果
栄養不足になり体の色々な部分に褥瘡が
できるようになります。

 

状況がどんどん悪化したため
11月には褥瘡の治療の為に一旦入院します。

 

 

点滴での栄養投与もあり
褥瘡は改善していきましたが
入院中にさらに嚥下の力が
低下します。

 

最初はとろみのついた食事だったものが
ゼリー食に変わり、薬も飲む事が
難しくなっていきます。

 

年明けに担当医に呼ばれ
現状を説明されます。

 

今回の入院は褥瘡の治療という事で
入院しており、褥瘡に関しては
ほぼ完治しており、治療は
終了していました。

 

ここで現状とこれからについて
話があり、栄養に関しては
管を通して投与する必要があること、
そして退院する必要があると
告げられます。

 

 

救急対応の病院の為
治療が終了すると退院しないと
いけないのです。

 

ここで療養入院の提案がされます。
次の受け入れ先が決まっていれば
転院まで入院できる事、
療養入院では人工呼吸器をつけたりといった
延命治療はしないという説明が
ありました。

 

もし拒否して家に帰ってきても
もう自分たちでできる事はないと言って
良い状態で選択肢が無く、系列病院へ
療養入院することになり、今に至ります。

 

個々の状況や病気の進行により
個人差はありますが、終末期の病状の進行は
恐ろしいほど速いです。

 

本人の意思を確認することも
難しくなりますので、早めに本人も含めて終末医療に関して
意思を統一していく事が重要です。

 

 

「介助者にも人生や生活がある」事
療養入院をさせたり、施設に入居させることは
「悪い事ではない」という事を
正しく理解し、話を進めていきましょう。

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